【バイク免許取得ガイド】二輪免許の種類から合宿・通学の違いまで解説
バイクの免許”と聞くと皆さんはどんなバイクをイメージしますか?
配達のバイクやハーレーなど大きなバイク、ツーリングのスタイリッシュなバイク…などなどバイクにはいくつかの種類があります。
そして、その種類によって免許の取り方も変わってきます。
免許を取れる年齢や、そのバイクでできること、おすすめの免許取得方法や実技試験でのライディングのちょっとしたコツまで解説します。
バイク免許の種類は7つ
颯爽と街中を走り抜けるバイク。
あんなふうにバイクに乗れたら気持ちいいだろうな~と憧れたことはありませんか?
一般的には「二輪免許」と呼ばれるバイク免許。
「バイクに乗りたい!」と思ってバイク免許のことを調べていると気付くのが、“バイク免許ってたくさん種類がある”ということです。
一口にバイクの免許と言っても、その種類はなんと7種類!
・原付免許(原付1種)
・小型二輪免許・AT限定小型二輪免許
・普通二輪免許・AT限定普通二輪免許
・大型二輪免許・AT限定大型二輪免許
こんな感じで種類が多いので、自分が乗りたいのはどんなバイクなのか・なんのためにバイクに乗るのかなど理由によって必要な免許は異なります。
しかも制限速度が異なったり、二人乗りの○×、高速道路で走れるかなどなど細かいルールがたくさん!
それぞれの免許の種類を項目ごとに詳しく解説していきます。
原付免許(原付1種)
正式名称は「原動機付自転車免許」。
通称「原付(げんつき)」、「原チャリ」と呼ばれる免許で、取得費用や日数が安い割に便利なので学生や主婦などに人気の免許です。
新聞配達などでよく見かけるのミニバイクに乗ることができます。
ちなみに車の普通免許を取得すれば、この原付免許は自動的に付いてきますが、普通免許は満18歳からなので、少しでも早く楽な移動手段がほしい方は16歳になったら取得するのがおすすめです。
【取得年齢】
満16歳以上
【運転できるバイク】
排気量50cc以下
【法定速度(一般道】
30km/h
【二人乗り】
×
【高速道路】
×
小型二輪免許・AT限定小型二輪免許
正式名称は「普通自動二輪小型限定免許」。
原付免許との大きな違いは二人乗りができるということです。
スピードも原付きの倍出せるので、ちょっとした街乗りや毎日の外出に使いたい方におすすめの免許です。
「小型二輪免許」と「AT限定小型二輪免許」の違いは、AT限定の方はクラッチ操作がないタイプのバイクにしか乗れないということです。
また、この小型二輪免許は原付免許と違い普通免許を取得しても付いてこないので、該当するバイクを運転することはできないことに注意しましょう!
【取得年齢】
満16歳以上
【運転できるバイク】
排気量125cc以下
【法定速度(一般道】
60km/h
【二人乗り】
○
【高速道路】
×
普通二輪免許・AT限定普通二輪免許
いわゆる一般的な「バイクの免許」です。
ほとんどの方が「バイク免許」でイメージするものですね。
16歳以上で免許取得できて、一気に排気量400ccまでのバイクを運転できます。
さらに高速道路も走れるので、ツーリングなどの趣味でバイクに乗りたい方におすすめの免許です。
251cc以上のバイクを保有する場合は車検が必要となります。
車検とは…車は安全性や公害防止の面で問題ないかどうかを定期的に検査しなければいけません。
車検の有効期限が切れると公道を走ることはできません。違反の場合、免停など厳しい罰則の対象となります。
【取得年齢】
満16歳以上
【運転できるバイク】
排気量400cc以下
【法定速度(一般道】
60km/h
【法定速度(高速道路】
100km/h
【二人乗り】
○
【高速道路】
○
大型二輪免許・AT限定大型二輪免許
バイク免許の最上位!大型二輪免許を持っていればすべてのバイクに乗ることが出来ます。
ただし取得年齢は満18歳以上。車の普通免許と同じ年齢です。
「どんなバイクでも乗れるなら、いきなり大型二輪免許を取ればいいんじゃない」と思う人もいるかも知れません。
もちろん年齢等の条件を満たしていれば取得できる免許なのですが、大型二輪のバイクはとにかく車体が大きい!
そんな大きなバイクが倒れたときに引き起こしたり、エンジンをかけずに押して歩くにもかなりの力が必要になります。
想像以上に大きく重いので、小柄な女性はもちろん成人男性にもおすすめしない理由です。
まずは普通二輪免許を取得して、バイクの運転操作になれてから大型二輪に挑戦しましょう!
【取得年齢】
満18歳以上
【運転できるバイク】
排気量制限ナシ
【法定速度(一般道】
60km/h
【法定速度(高速道路】
100km/h
【二人乗り】
○
【高速道路】
○
以下、バイク免許の種類を一覧で見られるように表にしてみましたので参考にしてくださいね。
バイク免許取得の方法
バイク免許を取得するためには「教習所に通って技能卒業検定に合格する」場合と「運転免許試験会場で一発試験に合格する」場合の2種類の方法があります。
自動車教習所に通う場合は自宅や学校・会社の近くに通いで入校する方法と、遠方の教習所に免許合宿に行く方法の2種類です。
いずれかの方法で試験に合格した後に、住民票のある運転免許試験会場にて学科試験を受け、合格し適性検査に通ることで免許が交付されます。
教習所に通って取得する場合は、教習所内で技能試験に相当する卒業検定に合格する必要があるため、運転免許センターでの技能試験は免除されます。
適性検査と学科試験に合格することでバイク免許を取得することができます。
一発試験の場合は最初に適性検査と学科試験を受験し合格した後に技能試験を受ける必要があります。
技能試験に合格後、取得時講習と応急救護講習を受けることでバイク免許を取得することができます。
バイク免許の取得にかかる費用まとめ!
さて、次はバイク免許の取得にかかる費用をご紹介します。
バイク免許を取得するためには、前述の通り「教習所に入校する」場合と「試験会場にて一発試験を受ける」場合の2パターンの方法が存在しています。
ケース別にバイク免許取得のための費用について解説していきます。
教習所に入校する場合は通学で通う場合と合宿免許に参加する場合の2パターンに分かれます。
教習所に入校する場合(合宿、通学)
教習所に入校した場合のバイク免許取得のための費用は以下の表の通りになっています。
こちらは合宿免許に参加した場合の費用ですが、バイクの種類や普通免許を既に所持しているかどうかによって、費用が変わってくることがわかるかと思います。
普通免許を所持しているかどうかによって変わる費用はおよそ5万円となっています。
また、小型二輪免許だけの取得であれば10万円以下と比較的安く免許を取得することができる一方、大型二輪免許になると20万円弱の費用が必要となります。
合宿免許の場合は最短2週間でバイクの免許を取得することができるため、とにかく早く免許が欲しい場合は合宿免許がお勧めです。
一発試験を受ける場合
一発試験を受ける場合にかかる免許の費用ですが、試験に関わってくる費用と別途取得するための講習料の2種類の費用が発生します。
試験に関わる費用としては以下の通りです。
・受験料2,600円
・試験車使用料1,450円
・免許証交付料2,050円
別途発生する講習受講料は取得するバイク免許の種類によって以下のように変わります。
・普通自動二輪免許16,200円
・大型自動二輪免許16,650円
これら2種類の料金が発生するため、一発試験にてバイク免許を取得しようとした際に発生する費用はおよそ22,000円程となります。
教習所に通って取得する場合と比較するとかなり費用を抑えることが可能にはなりますが、取得難易度がとても高いためあまりお勧めはできません。
過去にバイク免許を持っていたことがある方や、教習所に通う前に「受かったらラッキー」の気持ちで挑戦するくらいの方がおすすめです。
バイク免許を取得するときの注意点
バイク免許取得のためには車の免許を取る時と違った注意点がいくつかあります。
しっかりとこの注意点を押さえておかないと免許を取っても後悔してしまう可能性も…。
この項目ではそれらを詳しく説明していきます。
季節問わず長袖・長ズボン・グローブの着用が必要
バイクの教習を行う時には季節に関係なく長袖・長ズボンとグローブの着用が必須です。
車と違って転倒の可能性があるためで、半袖・半ズボンでアスファルトの道路に転倒したら…すごく痛いですよね。
安全のために長袖・長ズボン・グローブという格好は絶対なのです。
これは真夏の教習でも変わりません。つまり、ものすごく暑い!
バイクは風にあたってるから気持ちいいんじゃ?と思う方もいるかも知れません。
真夏に自転車に乗ったときのことを想像すると分かりやすいのですが、風にあたってるとは言ってもクーラーなどがある訳ではありません。
しかもバイクの場合は、長袖・長ズボンにヘルメット・グローブまで着けて生ぬるい風にあたってるだけ…
そして自分のすぐ近くには高温になってるエンジンもあるという状況です。
悠々と走ってるように見えるライダー達も実は意外とつらい環境だったという訳です。
「夏がつらいなら冬に教習すればいいんじゃない?」と思いがちですが、冬をおすすめしない理由もあります。
確かに長袖・長ズボンにグローブなら冬でもあったかいし、前述のようにエンジンの熱もあります。
夏に比べて一見楽そうですが、今度は真冬の冷気にずっと晒されていなければいけないのです。
寒ければ身体の動きも鈍くなり、何より手がかじかんでブレーキとアクセルの加減がしにくくなってしまいます。
操作を誤ると転倒や事故の確率が上がり、大きなケガにつながってしまいます。
また、冬は路面が凍結している場合もあり、その時には教習ができないので冬季間はバイクの教習を行わないという教習所も多くあります。
12~3月の冬季は合宿を行っていない教習所も多い
合宿の場合も同様に、12月~3月のバイク教習を行っていないところがほとんどです。
合宿免許を実施している教習所は地方にあることが多いので、都心に比べて雪や凍結の影響を受けやすいためです。
少しの積雪であれば除雪して教習は出来ますが、教習生の安全のために実施しないことのほうが多いのが実情です。
教習が出来ない=卒業の日が延びるということなので、あらかじめ決められたカリキュラムで進める合宿には向いていません。
卒業日が変わることによって、それ以降の大学の始業に間に合わなかったり、ほかの予定に影響が出てしまったりというリスクもあるので冬にバイク免許の合宿に行くメリットはあまりありません。
「夏も冬もダメならいつ免許を取ればいいの?」と思いますよね。
バイク免許におすすめ季節は春か秋です!暑すぎず寒すぎず、心地よい環境で免許取得に集中できます。
ゴールデンウィークにツーリングに行きたい、紅葉を見に行きたいなどの希望に合わせて教習所に通いましょう。
ただ、春も秋もバイク免許希望者に人気のシーズンなので、入校は早めに決めなければ満員で合宿に行けない可能性もあるので注意が必要です。
バイク未経験者が大型免許を取るのは難しい
このページでも最初の方のバイクの種類のところで軽く触れていますが、バイク経験のない人がいきなり大型二輪の免許を取ることはおすすめしません。
法的には条件さえ満たしていれば、未経験で大型バイクの免許を取ることはできます。
それでもおすすめしない理由は以下の通りです。
まずは「とにかく大きく、重い」こと。
安定して走行さえしてしまえば大きさも重さも気にならないのですが、停止時にはその車体を自分で支えなければいけません。
また、転倒した時はバイクの下敷きになってしまうこともあります。
最も重要なのは転倒したバイクを素早く起こすことが出来るかどうかです。
教習所ではこれを「引き起こし」と呼び、バイク免許において基本中の基本となる動作です。
大きく重い大型バイクを自分ひとりで起こすことが出来なければ、大型二輪免許を取ることは難しいと考えたほうがよいです。
またもうひとつ重要なのが「取り回し」と言われる動作で、エンジンを切った状態の大型二輪のハンドルを持って押して歩くことです。
自転車は軽いので余裕で出来ますが、大型二輪でも同様に出来ることが必要です。
これらの動作ができなければ教習が出来ないので、入校前に実際に「引き起こし」をやってもらって、それが出来れば入校という教習所もあります。
小柄な方や力の弱い女性の方などは特に苦労されるようです。
とはいえ、絶対に無理!という訳ではありませんので、難しいことを覚悟で挑戦してみてもよいでしょう。
バイク免許で合格するためのライディングテクニック
バイク免許を取得するためには、いくつかの課題をクリアして検定に合格する必要があります。
もちろん教習では基本から応用までしっかりと教えてくれますが、その中でも難関といわれる課題の解説と対策を紹介します。
一本橋
正式名称は「直線狭路コース」。
狭い道を安全に走行できるようになるための課題で、幅30cm、長さ15mの縁石や板の上を一定以上の秒数をかけて渡り切ります。
橋とは言っても高さは5cm程度なので通常の道路とさほど変わりません。
スタート地点は一本橋の手前から少し離れたところで、平地で助走できるかたちです。
何秒以上かけて渡らなければいけないかは以下の通りです。
普通二輪(400cc以下)…7秒以上
大型二輪(401cc以上)…10秒以上
小型二輪(50cc~125cc)…5秒以上
指定秒数以下で一本橋を早く渡ってしまった場合は減点となります。
また、転倒やエンスト、一本橋に乗れない・踏み外す、通過できない等の場合は失格となりそこで検定終了です。
一本橋にはある程度勢いをつけて乗ること、進行方向をしっかり見ること、タイムを意識しすぎて過度に減速しないことなどを意識すれば比較的スムーズに通過できるはずです。
スラローム
正式名称は「進路転換コース」。
障害物を避けるテクニックやバランス感覚に関わる課題で、コース上に置かれたパイロン(カラーコーン)を避けながら蛇行運転で目標時間内にゴールを目指します。
目標時間は以下の通りです。
普通二輪(400cc以下)…8秒以内
大型二輪(401cc以上)…7秒以内
(小型二輪ではスラロームの課題はありません)
目標時間を超過した場合、パイロンに接触した場合は減点対象です。
即失格になるのは、スラロームを通過できない、エンスト、足をつく、パイロンに衝突するなどです。
大事なのは速度調整とブレーキングです。
適切な場所で素早く加速し、素早くきっちり減速する。タンクをしっかりと両膝で挟み込み自分の体と車体を安定させ、行きたい方向の目線を意識すれば突破できる課題です。
ちなみに蛇行運転は公道では危険な行為なので控えましょう!
S字
幅2mのアルファベットのSの字のように曲がった道を通り抜けます。
特に○秒以内・以下という指定はありません。
時間はかかってもいいので縁石に接触したり、転倒せずに通過できれば問題ありません。
転倒した場合やS字を通過できない場合は失格となることを覚えておきましょう。
目線はバイクのすぐ先ではなく進行方向の少し先(コースの形を意識するように)を見るようにしましょう。
怖がって手前ばかり見ていると車体が安定せず、接触や転倒しやすくなってしまいます。
クランク
クランクは狭い曲がり角が2つ連続しているコースです。カクカクしたS字のような形です。
S字の課題と同様に通過できれば合格です。
通過できない場合、転倒した場合やパイロンに衝突した場合などは失格です。
S字と違うのは曲がる時にあまり車体を傾けず、ハンドル操作を使って進行すること。
クランクに進入する時はアウト寄りに進みましょう。曲がるときの内輪差でリヤバンパーがパイロンに接触するのを防ぐためです。
ここでも大事なのは目線。路面を見るのではなく、進行方向、曲がり角の先を見るようにしましょう。
車体を安定させるためのニーグリップも忘れずに!
なめらかな速度コントロールが出来るように心がければクリアできるはずですよ。
急制動
「急制動」とは急ブレーキのことです。
公道を走るようになれば、子どもの飛び出しなどで急ブレーキをかけなければいけない場面にも遭遇します。
その時、安全に停止できなければ事故やケガの元になってしまいます。
急制動の課題では3速まで使って40km/hまで加速し、コースに置かれたパイロンの横まで来たらブレーキをかけ、11mのラインより手前で停止できれば合格です(普通二輪・大型二輪)。
小型二輪の場合は40km/hまで加速、8mのラインより手前で停止です。
停止位置を超えてしまったり、転倒してしまった時は失格となります。
ポイントはブレーキングです。
前後のブレーキを7:3くらいで意識しながらかけましょう。
フロントブレーキだけを使うと車体が前のめりになり、リヤブレーキだけだとタイヤがロックするので、どちらも危険です。
前後両方のブレーキをしっかり使い停止しましょう。
また、制動開始時にはアクセルを戻し、惰性で40km/hが維持できるくらいにしておくと安心です。
速度だけを気にしていると肝心のブレーキタイミングが合わないことが多いためです。
姿勢は前のめりにならないようニーグリップを意識しましょう。
急制動時に腕を突っ張って耐えると、最悪前に投げ出されてしまうこともあります。
バイク免許の取得には様々な課題がありますが、不安になりすぎずリラックスして臨むことが大切です。
「失敗したらどうしよう…」「ケガをするんじゃ…」なんて考えがちですが、「自分はできるんだ!」と自信を持って挑戦したほうがうまくいくものです。
まとめ
「バイク」と言われるものは7種類。
・原付免許(原付一種)
・小型二輪免許・AT限定小型二輪免許
・普通二輪免許・AT限定普通二輪免許
・大型二輪免許・AT限定大型二輪免許
原付免許と小型二輪・普通二輪の免許は満16歳から取得可能。
大型二輪だけは満18歳以上から取得可能。
バイク免許を取る方法は
①教習所へ通う
②一発試験に挑戦する
③合宿免許に参加する
の3種類。
おすすめは短期間&比較的安い料金で取れる③合宿免許に参加する。
※原付免許は教習所に通わなくても講習と学科試験を受けることで取得できる&普通車免許・普通二輪免許を取得すれば乗ることができる。
教習所を卒業したら、地元の運転免許試験場で適性検査と学科試験を受けて、合格したら免許交付。
卒業しただけではバイクに乗れないので気をつけよう!
最適なシーズンは春か秋。
長袖、長ズボンにグローブ、ヘルメットは必ず必要なので、暑すぎる夏は過酷…
冬は路面の凍結や雪の影響で教習自体あまり実施していない…
この2つのシーズンを避けた春か秋がおすすめだけど、教習は混み合うので早めの予約が必須!
いきなり大型二輪の免許を取ることも法的には可能。
ただし、大型バイクはとても大きく重いため、転倒したときバイクを立て直す「引き起こし」、エンジンを切って押して歩く「取り回し」が非常に難しいため普通自動二輪を取ってバイクに慣れてからのほうが安心。
バイク免許取得のためには課題に合格しなければいけない。
難関と言われる一本橋・S字・クランク・急制動も目線と姿勢、アクセルワークとブレーキングの基本が出来てれば心配なし!
自信を持って試験に臨もう!